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メタルハート
カタン村
「うん☆
私の集めたアクセは、不思議な力を持った天然石で出来てるからだと思うよ〜
因みに二個までが理想だよ!それ以上は力が反発してうまく発揮出来ないみたい」

そう言いながら、愛奈は自分の左太股を指差した。
そこには奇妙な模様が入った金のバングル。
中央には赤い石が埋め込まれている。

「これは〜がっぽりお金が稼げる効果のアクセサリー♪」

「……」

「……あははι」

りゅあと葉月は顔を見合わせながら苦笑いした。
お金云々よりも、まず戦闘能力を上げる効果のアクセサリーを身に付けたいところだ。

りゅあは一つ一つ吟味して見るものの、どれが一番自分に似合うかなんてわからなかった。
ピンク色のブレスレット、翡翠のピアス、橙のブローチ…
う〜ん…ピンとこないι

「私はこれにするわ。」

葉月は先程の紫のバレッタが気に入ったようで、早速頭に付けていた。
上半分の髪を後頭部でまとめ、くるんと輪を作ってバレッタで留める。

「どうかしら?」

「バッチリお似合い!
それは連撃の命中率が上がるアイテム♪
葉月にぴったりだねッ」

にんまり笑う愛奈は、葉月からお金を受け取るとりゅあを見やる。
相変わらず唸っていたりゅあの頭上にはハテナが飛び交っていた。

「う〜〜ん…ι」

今にも目を回して卒倒しそうなりゅあ。

「全くもう…世話がやけるわね。」

「り りゅあ!!
目を閉じて、氣を感じてみて?
きっと自分に合った物が解るから」

「え?目を…?」

慌てて助け舟を出す二人の言った通りにやってみると。
りゅあの全身から青い陽炎が沸き立ち昇る。
先程の、カタ平原での一戦のように。
青い炎はみるみる濃く、大きくなっていく。
そんなりゅあの姿にギョッと声を上げたのは周りに居た村人達だった。

「ちょっと!!
戦闘じゃないんだから手加減しなさいよっ」

周りの目を気にしてか葉月はガミっと怒鳴ったが、りゅあには聞こえない。
氣を込めた時のりゅあの表情は始終穏やかで、青い炎の中にいる筈がまるで水中を泳いでいるかのような感覚がする。

澄み切った氣。
葉月や愛奈のそれとはまた違った性質の感覚に、二人は見入っていた。


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