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設置記念【まどろみ】
【まどろみ】マスター
「マスター、おはようございます!」
真由ちゃんが元気良く、出勤して来た。
「おぁ〜は〜よう」
俺は、欠伸をしながらウチの従業員に返事をした。
「マスターまた、朝まで瞬介さんの所でポーカーしてたでしょ?」
心なしか責められてる気がするのは、俺の気のせいか?
「ん、何で分かった?」
「分かりますよぉ〜マスターの行動なんて」
サラリと恐ろしい事をいうウェイトレスに、珈琲を煎れてやって、煙草に火を着けた時、ドアに付けてあるベルが鳴った。
「いらっしやい。ヨオ、来たな!」
探偵が嬉しそうに頷くとカウンター席に着く。
さっき、新作ケーキが出来上がったと連絡を入れたら五分でやって来た。
まあ、道路を挟んだ目の前なんだが。
「おはようございます。赤月さん」
真由ちゃんが何時もの紅茶を運び、声を掛けた。
「おはよう、楽しみだなあ〜マスターのケーキ」
そう言われると俺も、作りがいがある。
もう、そろそろ来るヤツも俺のケーキが好きなんだが――
「困るよ、こっちも交通費とか、掛ってるんだからさぁ、ちゃんと規定分払って貰わないと……」
隅の席でラーメン・スパイが顧客相手に必死で説得している。
「はい、お待ちどう!」
目の前に置かれたケーキに探偵の瞳がうるみ、フォークでそっとくちに運びかけた時……
「ちわ! 叔父さん、来たぜ〜」
デッかい声を出して我が甥っ子がやって来た。
「いや〜奇遇だな〜赤月も来てたのかよ」
わざとらしいヤツめ……さっき、電話した時、確認したじゃねえか
探偵は嬉しさと不機嫌が同居した何とも言えない顔をしたのだった。
喫茶【まどろみ】の日常
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