過去の拍手お礼 設置記念【人魚の王子】 A人魚の王子さま 「昨日はありがと」 振り返ったアイツはキョトンとした目をした。 「もう、私がお礼を言っちゃ、可笑しい?」 これでも、悩んでたんだから。助けてくれたんだし、お礼ぐらい言わなくちゃって。 「はい、これ」 私がぶっきらぼうに差し出した紙袋を受取り、アイツはニャリと笑って言った。 「へぇ? クッキ―! お前が作ったのか?」 さも、意外だみたいな顔に、不貞腐れた私は「無理して食べなくて良いわよ!」 捨て台詞を残し行こうとした時―― 「お礼なら、コッチの方が良いな……」 後に残された私の顔は茹でタコみたいに真っ赤だった。 [前頁][次頁] [戻る] |