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9000H【青木編】


月三その前B青木編

「しっかし瞬が大学生とはな〜」
 叔父の啓介兄が俺にケーキを出しながら言った。

「悪戯坊主も遂に大学生か〜俺も歳を取る筈だな」

 親父もそう言ってちびりと熱燗を飲みシンミリしてる。

「何だよ、二人共妙にシンミリしてさ〜変だぜ? 」

 照れ隠しにそう言って俺はフォークでケーキを突き刺した。

「あっ! 瞬テメェ、やりやがったな! 俺様が心を込めて作ったケーキを……」

「何だよ悪いか! 啓介兄と親父が変な事言うからじゃねえか! 」

 睨み合う俺達に親父はのんびりと言った。

「また、おめえらも変わらねえな〜昔っから喧嘩しては仲良くなってさ〜」

 その言葉に俺達は顔を見合わせ吹き出した。

「まあ、良いさ。それより瞬、お前好きな子は居るのか? 」

 いやに真剣に聞いて来た啓介兄に思わず頷づいた俺。

「本当か? 兄貴、瞬の野郎好きな子居るんだと! 」

 啓介兄の言葉に親父は身を乗り出し聞いて来た。

「そうか! もちろん綺麗か可愛い子なんだろうな? 」

 親父は浮き浮きしているが俺は気分が沈んだ。アイツの事を考える度にそうなるんだ。



 絶対に俺の恋は報われない……

 その事に気付いたから。

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あきゅろす。
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