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9000H【赤月編】

月三その後A赤月編

 事件の後、月島をどうするかで私は悩んだ。そして同僚の片山を暗示に掛け現場に涼は居ない事にした。

 秘密裏に事は進められ、警察の尋問にも進んで出頭し、担当刑事にも暗示を掛けていく――

 能力があって、初めて良かったと思えた事件だった。


***


 退院の後、月島は大学を辞め警察学校へ入学した。
 無意識にでも涼を捜しているのだろう。

「赤月、待てよ! 」

 青木は……私が何度忘れさせても思い出す。そして私はその度に暗示を掛ける。

 賭けは……どちらが勝ったのか。誰にも判らない。私でさえも――

「何で俺を避けるんだよ! 」

 何でだって? 当たり前だろう? 辛いんだよ……瞬。お前が私を思い出し、愛する度に……

 だから今日も暗示を掛ける。心の中で願いながら……




 私を愛さないでくれ……と。

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