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8000H【まどろみ】
A【まどろみ】マスター
明日は店の定休日。真由ちゃんは何処か浮き浮きしている。
「何だい真由ちゃんは明日デートか? 」
店仕舞いをするために、看板の電気を消し、真由ちゃんにお疲れちゃ〜んと声を掛けたついでに聞く。
「違いますよ〜明日は猫ねこダンサーズのコンサートを見にいくんですよぅ〜」
成程…だから猫の被りものとホワホワした猫の手袋をさっきからいじって居たのか……
「あ〜楽しみだなぁ〜マスター知ってます? 猫ねこダンサーズを」
そんな事云われても分かるか! と、一度は言ってみたい今日この頃。
「ん〜判んないなぁ〜」
と言ったらおもいっきり、馬鹿にした様な顔をした。
「マスターは世間に疎すぎますよ。このままでは早くお爺ちゃんになっちゃう……」
何で猫ねこなんとやらを知らないとお爺ちゃんになるんだ? 釈然としない俺を残し、真由ちゃんは浮き浮き気分で帰って行った。
「啓介叔父さん、聞いちゃったよ〜猫ねこダンサーズ知らないんだって? 」
いつの間に居たのか、瞬介がニャニャして立っていた。
「瞬は知ってるのか? 」
意外な事に甥の瞬介は猫ねこなんとやらを知ってるらしい。
「もちろん! だって可愛い子達が猫耳と猫っ手で踊り歌うんだぜ? 知らない訳がないだろ? 」
と熱く語りながら、瞬はピラッと二枚の紙を取りだしヒラヒラさせて言った。
「なあ〜啓介兄〜行こうぜ〜」
コイツが兄と言う時は要注意だ。何か企んでるに決まってる。
「いやぁ〜残念だな〜明日は約束が……」
「じゃ、決まりな! 明日迎えに来るから。啓介兄支度しといてくれよ」
ちっとも人の話しを聞かないところは姉さんにソックリだ。
溜め息を付き、諦めて行く事にした。
***
――次の日――
俺と瞬介は猫ねこダンサーズのコンサートに行った――
そして……見事にハマった。
今は周りが呆れる程の猫ラーである。
啓介叔父の猫耳に乾杯〜
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