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月三物語
【記憶】

――赤月の様子が変だ――

 何時もの依頼の電話だと思った――だけど、何処かがおかしい。

「仕事があるんだ……」

 そう言ったきり黙り込むなんてヤツらしくもない。俺は、今から行くとだけ言って電話を切った。


「毎度〜迅速、確実、安心がモットーの……赤月、どうした? 」

「ああ……青木か。大丈夫だよ……ちょっと疲れただけ……」

 赤月が力なく笑ったと思うと、ひとすじ涙が流れ、机に頭をつけてしまった。それを見た俺は、胸が締め付けられる様に痛んだ。


 始くんには、今日は休みにすると言って帰って貰い話しを聞こうと赤月に向き直る。


 その姿を見て俺の頭の中で、過去の出来事がフラッシュバックの様に浮かんでは消えた――


 そして、思い出した――章吾……!!!



「……章吾、賭けは勝ったぜ……お前は俺のものだ――」


 章吾は驚いた顔で俺を見つめ。



 そして、微笑んで言った……





「おかえり瞬……」と――



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あきゅろす。
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