運び屋 青木瞬介の日常
7
玲児がトイレに駆け込んだ後、真琴と俺の間には寒い空気が漂う……
「真琴…くん、だっけ?きみは、玲児のナニ?」
俺は、黙って居る事が出来ないタチだから、つい聞いてしまった。だって、気になるじゃないか……
すると、真琴はニヤリと俺を見やり、言ってきた。
「気になる? オレ達のカ・ン・ケ・イ ……」
イヤに、色気を出して云うものだから、危うく鼻血が出そうになった。
(ヤベぇ〜〜コイツ色っぺえょ〜〜!! )
「ハイ、お待ちど―さん。いつものヤツね。」
マスターがドン、と俺のオーダーした物を置いた。…特大のチョコパフェを…暫しの沈黙……
それを、破ったのは、真琴の笑いこけた声だった。
「プッ、…男のクセに、ヒッ、チョコ…ぱっ…ひっ、…ふぇ、…ヒヒッ、オカシ――」
顔を真っ赤にして、笑いころげる真琴を見てるうちに、自然と笑みがこぼれて来た。
(コイツ、こんな顔も出来るんだ…可愛いな。)
「シュン、お前を殺す!ワタシと云うものが有りながら……」
目を上げると、玲児がもの凄い形相して、仁王立ちしている。
おい、おい、いつからお前は俺の女になった?冗談じゃないぜ、確かに玲児は綺麗だけどさぁ。
俺の好みじゃあねえ。ヤツパ、守ってやりたくなる様な性格じゃないとな。
「まあ、座って話そうぜ。そんなオッカナイ事言ったら、綺麗な顔が台無しだぞ。」
些か、わざとらしい台詞に玲児は食い付いてきて、頬を染めながら俺の隣に座って来た。
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