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運び屋 青木瞬介の日常


 俺は馴染みの店、喫茶≪まどろみ≫のドアを開けた。ドアに付いてる鈴がチリンと鳴り、気の良いマスターが愛想良く笑い言った。

「ヨォ、瞬介。さっきからお待ちかねだぜ」

 マスターが洗い物をしながら、首を巡らした先には奥のテーブル席に二人連れがいた。

「マスター俺、いつものヤツね」

 待っている二人に近付きながら、注文をする。

「遅いわよ、シュン。レディを待たせるなんて、まだまだ修行が足りないわね。ネェ、真琴?」

 背中までの緩くウエーブが掛った栗色の髪をふわりと振りながら、妖艶と微笑む。十人見れば、皆ヤリてぇと、思う程の女だ。

 さっきからずっとうつ向いていた子は、真琴と呼ばれて顔を上げた。

 肩で切り揃えた漆黒の髪。それと相反する様な白い肌。何より印象的なのは、見つめていると吸い込まれそうな深緑に見える瞳。

 しばし、呆けた顔で目の前の芸術に見とれていた俺に、美女がヒールの踵でおもいっきり、足を踏んだ!





「ーーイッテェ!! 玲児(れいじ)オメェ、何すんだ! コラァ!−―」


 妖艶に微笑む女は、もと、男だったーー




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あきゅろす。
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