運び屋 青木瞬介の日常
12
俺達は依頼人の家の中へと入って行った。もう既にブラザ―達はキビキビと荷物を運び出していて依頼人家族は、目を丸くして立ち尽くしているし。始&真琴も然り……
「一美姉き。周次。悪かったな。こんな遅い時間に……」
「何言ってんの!瞬の仕事は、あたし達の仕事でも在るんだからね! 」
そうやって、笑う姉きは俺なんかより、よっぽと逞しいし、弟に至っては、同じ腹の中から産まれたとは思えない程ガタイが良い。
「兄ちゃん。水臭いなあ、俺達家族は一致団結がモット―だろ?」
「ホント俺ら家族は、頼りになるぜ!始くん真琴。俺の姉きの一美と弟の周次だ。」
ボケ〜っとしていた二人は、そう言われ急に我に帰り自己紹介した。始くんはともかく、真琴が男だと知って周が、ガッカリした顔をしたのを俺は見逃さなかった。
俺達が何もしないまま、アッと云う間に片付いて行く。さすがプロだ……
≫≫≫≫≫≫≫≫≫
小一時間程でスッカリ、空っぽになった家で依頼人家族はしきりに頭を下げ新しい新天地へと旅だって行った。
「じゃあね瞬。また何か有ったらわたし達を呼ぶんだよ〜」
「じゃあな、兄ちゃん。」
慌ただしく我ら兄弟は帰って行った。
「じゃ、玲児を迎えに行くか。」
今、初めて思い出した様に真琴はハッとし、バツが悪そうにしている。真琴の頭を撫で励ます俺。始くんをからかいつつ、玲児と待ち合わせした場所へと行くが、玲児が居ない。真琴は顔色が変わり可哀想なくらいだ。
(玲児のヤロー!また、遊んでやがるな……)
そうこうしてる内に、玲児が顔をほてらせながら帰って来て一件落着した。
『後は、アイツに報告しに行くだけだが……』
(ま、明日で良いや。)
皆と別れ俺は独り家路へ向かい歩き出した。
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