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運び屋 青木瞬介の日常
11

 AM.2:00

 俺達は依頼人宅の前に居た……
 表には見張るための黒塗りの車が停まっていて、中には屈強な男が二人で狭い車内に縮こまっていた。

「多分あと少しで一人は夜食を買いにコンビニへ行く筈だ。玲児、頼んだぜ。」

「オッケー。ワタシに任して。」
 玲児は一人コンビニへ待ち伏せするべく、ヒールを鳴らしながら颯爽と歩いて行った。

「レイ、大丈夫かな?」

 真琴は心配そうだ。俺は肩をポンと叩くと安心しろと言って励ます。

「青木さん。本当におれ達だけでヤルの?」

 始くんが疑問を投げ掛ける。俺はニヤリと笑い。

「ホントお前ら心配性だなあ――何て事無いさ。万事て抜かりは無い!まあ、見てろって!」


≫≫≫≫≫≫≫≫


 玲児が行って程なくして、見張りの一人が車から降り歩いて行った。

「さあ、行くぜ! まず、真琴が困った様な顔でアソコのお兄さんの所へ行く……そして車から出てきたら始くんが投げ飛ばす。完璧な計画だぜ! 」

 二人は実に対照的な反応をした。
 真琴は冷笑を浮かべ馬鹿にした顔をしてたし、始くんは(荷物は誰が運ぶんだよ。てな、顔だ……
 それでも、真琴は車に近づき助手席に居た男に話し掛けると、男は睨みを効かせたが、話し掛けた子が綺麗な女の子?なので油断して車から降りて来た。
 其処を、後ろから近付いた始くんが鮮やかに投げ飛ばす。見事な連携プレイだ。

 道路に気絶して倒れた男は俺がロープでグルグルすまきにしてやった。

 その時、暗い夜道に明るいライトが光こうと輝き二台のトラックが近付いて停まり、窓から愛嬌のある顔が覗いた……

「瞬!来たよ〜〜」
「兄ちゃん、ココでいいのかよ〜〜」

「お〜つ。あんがとな。ちゃっちゃっと、ヤッてくれ。」

 ポカンと、した顔の始と真琴に説明する。

「俺ん家、運送業だからアノ二人は俺の兄弟なんだ。だから、俺達は中に入って待って居ようぜ。」



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