運び屋 青木瞬介の日常
9
そして今、玲児と真琴は俺の事務所に居て寛いで居る。
オマケに渋々付いて来た始くんまで……
この、一寸したハーレム状態に俺の頬は緩みっぱなしだ。
「青木さん、僕が手伝わなくても人手は足りてるじゃない。」
始くんの的確なツッコミに、俺は少々大袈裟に話し出す。
「だって家一件全てだぜ?何人居たって多すぎる事はないさ。」
「ねえシュン、本当にワタシ達で出来るのかしら、荷物もちだなんて?」
玲児も疑問に思ったのか聞いて来るし真琴は始くんの顔をじ―っと見ている。
「何?おれの顔に何か付いてる?」
問掛けられて、真琴は顔を赤くして、話出す。
「君って日本人なんだ?でも、綺麗な色の目だね。髪も良いな―うらやましいよ。オレなんかコレだろ?いつも女に間違われるし……」
始はキョトンとした顔をしてたが、素晴らしく微笑んで真琴に言った。
「なんだ気になるなら、染めればいいのに……」
なんて事を言うんだ!
始くん……
「高校に入ったらそうするけど…今染めたら先生に怒られるし。」
「『中坊かよ――』」
俺と始くんで、二人ツッコミをしてしまった。
「おい!玲児、幾ら何でも、中坊は不味いぜ」
焦りまくりの俺に、馬鹿にした顔の玲児。
「な〜に言ってるのよ。真琴は、そんなんじゃないわ。自分がスケベだからって人まで疑わないで欲しいわね」
何だ、違ったのか。それにしても中坊にしては大人っぽいな…背も始くんとそう変わり無いし。
「シュン、早く打ち合わせしましょ」
そうだ、打ち合わせをしないとな。正気に返った俺は、一同に向かい話し出した……
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