運び屋 青木瞬介の日常 1 耳慣れた携帯の着信が鳴って、俺の意識は急速に覚醒した。007のテーマが鳴り響き、二日酔いの頭がぐるぐる回る。 「はい。こちら迅速、安心、確実が……」 『お題目はいい。仕事だ』 電話の相手に冷たく言われ、俺は携帯のデイスプレィを見た。アイツだ…… 「おう、久しぶりだな。仕事って何だ?」 『いつも言っている様に電話では話せない。こっちに来てくれ』 そう言うと、唐突に電話が切れた。 相変わらず愛想がないヤツだ。ベットから体を起こして時間を確認する。 12:57分。 まだ早い……シャワーを浴びてくるか。 それにしても昨日の女は良かった。 俺は昨日の合コンを思い出し頬を緩ませた。 シャワーを浴びて昨日の酒を抜いた俺は、今日これから会いに行く依頼人の顔を思い浮かべる。 アイツも、あんなにデカくなきゃ、イケテるんだけどな…… でも最近、可愛い子が入ったんだっけ。楽しみが増えて金も入って万々歳だ! 今の時刻 13:33分―― 商談の時間15:30分―― [次頁] [戻る] |