僕が探偵になった訳
その八
月島と云う人が僕に問いかける。
赤月と同じ年位だろうか? 髪は短めにしていて、男らしいキリッとした顔立ちをしている。キッチリスーツを着こなした、けど怒らしたら恐いと思わせる印象の人だ。
「そういう訳じゃなくて、僕には探偵とかは向いてないと思うんです。それに、明日香は勝手に付いて来ちゃったし」
月島さんは僕の話しを黙って聞いていたが、椅子から立ち上がり赤月の所へ歩いて行く。
「明日香ちゃんだっけ? 赤月はそんな悪い奴じゃないぞ。まあ、一見怪しそうに見えるけどな。でも友達が刑事だし、悪い事をすれば、俺がパクッてやるから安心しなよ」
刑事だったのか――通りで迫力があると思った。
珍しく明日香がうろたえてる。
だけど明日香はハッ、と思い出した様に言った。
「だけど昨日この人は、はじめに超能力だとか言ってたんですよ。嘘つくのは悪い事でしょう?」
そうだ……思い出した。
言っていたな超能力。
僕と明日香が注目していたら、月島が笑って言った。
「なんだ、そう云う事か。う〜ん。赤月の能力は証拠が無いからな。じゃ、俺のを見せるか。よく見てろよ」
月島は目を閉じそして、集中する……テーブルに乗ったミネラルウォータが少しづつ浮かぶ。
しまいには、頭の上でクルクル回り出した。
『うそだろ〜!?』
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