[携帯モード] [URL送信]

人魚シリーズ
魔法魔術学校に入る経緯

「セルジュ、私の跡を継ぐために魔法魔術学校へ行っておいで」

 ある日突然、婆様が言った。と、云うか命令された。

「はあ? 何で僕が? 」

 何とも間の抜けた返事をしたのには理由がある。第1継承者の兄が居るのに何故僕に跡を継げと云うのか、甚だ理解に苦しむ。

「セルゲイは駄目じゃ! あやつは魔術のセンスの欠片も無い!」
 婆様は、何か兄がやらかしたのだろう。拳を突き上げ声を高らかに上げて宣言した。

「兎に角、私の跡を継げそうな魔力を持っているのは、お前しか居らんのじゃ。だからお前は魔法魔術学校へ入学するのじゃ」

 冗談じゃない! 魔法魔術学校は海から遠く離れた陸の上だ。色んな人種(人ばかりとは限らない)ばかりの悪の巣窟の様な場所へ可愛いひ孫を押し込むなんて……

「婆様、こればっかりは嫌です!海から離れるなど、真っ平ゴメンですからね! 」

 嫌がる僕などおかまい無しに、婆様は一枚の紙を(勿論、防水加工を施した)ヒラヒラさせて、無情にも宣言した。


 こうして僕は齢、十五歳の若さで魔法魔術学校へ、入学する事になったのであった。




[前頁][次頁]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!