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怪盗☆Blackパンサー
予告状

 事の起こりは月の出ない晩の事だった。

 私、高瀬真弥は月華警察署の職員で刑事。役職は一応警部だ。
 何故女だてらに盗み担当の刑事になったのかと云えば深い理由がある。

「真弥警部〜おはようございます〜! 」

 後ろから元気な声が聞こえて私は振り返り、笑みを浮かべた。
 水月遊木だ。部署は違うが私にとって可愛い後輩で、彼女も私を目標だと言ってくれてる。

「遊木、おはよう。月島は一緒じゃないの? 」

 遊木は掛けている眼鏡を直しながら(そんなに焦らないでも…)元気良く言った。

「先輩は先に駐車場に行って…いけない! 早く行かなくちゃ」

 また、慌てて走って行った彼女を微笑ましく眺めながら、私は自分の部署に入って行く。

「おはようございます、警部。待ってたんですよ。実は奇妙な手紙が警部宛てに届いているんですが……」

 部下の楠木一樹(くすのきかずき)が手紙を渡して言った。
 見た所何処にでもある封筒だ。只ひとつ違う所が有るとすれば、封印にふざけた黒い生き物のシールが貼ってある位か。

「なに? これは? 」

「どうやら猫では無いみたいですね。豹……かな? 」

 封筒をくるくると指先で回しながら楠木に聞く。

「ふ〜ん、ところで楠木、コレはもちろん解析に回してるんでしょうね? 」

 案の定、楠木は『しまった!』と云った顔をして頭を下げて謝りだした。

「アンタ、ばっかじゃない?! 捜査の基本だよ! もし、この中にプラスティック爆弾でも仕掛けられてて開けたらドカン! だったらどうするの? 」

 楠木はすっかり、うなだれて下向いて居たが、ここで情けをかけては将来コイツの為にならないと心を鬼にして叱咤する。

「すみません! 自分の不注意でした! 直ぐに……」

「良いわ。見た所そんな危なそうには見えないし、予告状の様な気がする……」

 手紙を下に下ろし、引き出しから白い手袋を出して填めてから慎重にピンセットでシールを剥がし小さなビニールに入れた。
 次に封を開けて中に入ってるカードを取り出し読む。
 そこには、印刷された文字でこう書かれてあった。



拝啓 警部殿へ

本日、月の出ない深夜午前二時に『名刀 吉良一番星』を頂きに参上します。

ワタクシを捕まえようなどと無駄な事は決してなさらぬ様予告した次第です。

怪盗☆Blackパンサー



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あきゅろす。
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