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ホラ―小説
呪@

 私がその日記帳を手に入れたのは、学校からの帰り、新しくオープンしたアンティークショップでの事だった……

 こじんまりとした店内は、女の子でも来やすい様に綺麗にディスプレイされていて、お店の人もまだ若い男の人だったから、軽い気持ちで店内をぶらついていた。

 ――その時、たまたま目についた日記帳に私は、目が離せなくなってしまった……

 『鍵付きの日記帳』

 それだけだったら何処にでもあるものだけど。
 表紙には何処の国の文字だか分からない模様が描かれていて、キラキラ光る石が埋め込まれていた。

 使われて居ない様なのに表面は綺麗に舐めされてる。見れば、見るほど欲しくなり……
 気が付けば、店員に声を掛けていた。

「すみません〜これ、幾らするんですか?」

 値段が貼られていない所をみると、(もしかして、売り物じゃ無いかも…)

 不安になったが、こちらにやって来た優しそうな店員はにっこり笑って言った……
「ああ、まだ値段付けて無かったのか、アナタ、初めて此処にいらしたのでしょう?」

「はい、そうです」

 そう返事をしたら、店員さんは更に優しい顔になって言ったのだ。

「初めてじゃオマケしなけりゃね。五百円で良いから……」

 余りに安い金額に私は焦って言ってしまった。

「でもそれじゃ、店長さんに怒られませんか? だって、こんなに高そうな物なのに……」

「大丈夫だよ。ワタシがオーナーだから気にしないで……気に入って貰って嬉しいよ。」

 オーナーだって、まだ若いのに……でもラッキーかな? 五百円で買えるなんて! 日記帳を包んで貰い、私は家に帰ったのだった。

――それが呪いの日記帳とも知らずに……



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