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アサシンの夜明け
復讐E

最後の願いは? と問われたなら

オレはこう言うだろう……

お願いです。

あと少しだけでいい……

逝かしてください……と。


 戦闘準備は万全に……この状況で他に何が出来る? 後は神に祈るしかオレには残されてない。頼れるのは自分の力だけ。ならば、人を棄て鬼神になろう……


 マリアとの約束を果たすため、オレはボスの部屋へと行く。不思議に見張りは居なくて、部屋へとすんなり入る。

 音を立てない様にソッと歩くと後ろ向きに座っている男。拳銃を後頭部に当て引金を引こうとした……

「レイジ、観念するんだな」

 こめかみに押し付けられた冷たい感触。覚悟を決めて振り向くと、ターゲットがマリアを抱え立っていた。マリアの体は、暴行の痕がそこかしこに見える。

「レイジ、何故逃げたりした?」
 拳銃で狙いながら、オレに問う。オレは引き釣った笑いを顔に浮かべ奴に言った。

「殺れよ。あんな処へ戻るぐらいなら死んだほうがマシだ……」

 奴は無言で引き金を引いた。オレじゃなく、マリアに……
 声すら出せずに、ドサリと崩れ落ちるマリア。

「なんでマリアなんだ?! オレを殺せと言ったのに……!」

 奴はオレが持ってる拳銃を取り上げ信じられない事を言った。

「コイツは裏切り者だからな。それに……愛人ならお前がいる」

 それでは、奴がボスなのか?
では、そこに居る男は……

 奴は座ってる男に声をかけ出て行く様に言った。

「変え玉だ。何だ? 知らなかったのか? 」

 仮面を取った男は嘲笑い、俺の服をナイフで切り裂いた。

「なんだ……そうなら早く言ってくれれば良いのに……」

 ニッコリとオレは微笑み、奴を押し倒し唇を重ねて、隠し持っていた拳銃を心臓に押し当て言った……

『一丁だけだと思った? 甘いよ……死にな』

 拳銃の音が鳴り響き、奴はビックリした顔で地獄へ旅立って行った。

 マリアの傍に行きパッチリとした瞳を閉ざし、くちづける……

『約束を守れなくてゴメンね』





 思わぬ時間が掛った。急いでここから出なければ……予め仕掛けて置いた、時限装置の時間が迫っていた。




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