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アサシンの夜明け
夢F

 着いた所は――如何にも怪しげな研究室らしい部屋。
「ルイ……此処は……ドコ? 」

 裸電球ひとつだけの薄暗い部屋のベッドにオレをソッと寝かせ、ルイは立ち尽くしている。
 頭からスッポリとベールの様な物を被り顔が見えないが、ルイであるのは間違いない。

 覗く瞳は深碧でオレを見つめる眼差しは優しい……だけど、オレの知ってるルイは居なくなってしまった――

「ルイ……どうして? 何で手術なんか……」

 多分オレのせいだ。ルイが成長が遅いのを気にしていたのを知っていた筈なのに。
 ゼンと一緒にいる事が多くなってからルイの事を構わなくなってしまったから。

「……ゴメン……ね。ルイ……許して……」

 ルイは何も言わずオレの側に来て手を伸ばした。

「おれ……のもの……レイジは……お・れ・だけ……のモノ……ダ……コロス・・・アイツヲ……ギギツ……」

 最早、人語さえ忘れかけているルイの姿。隠しているフードを取った時、余りの変わりように言葉も無く見つめている事しか出来なかった――

 DNAを操作して掛け合わせた、異形の化け物――成長と引き換えに手に入れた身体……ただルイはオレに身合う躯が欲しかっただけなのに……

「いいよルイ、抱きなよ……」

 おずおずと出してきたその手は硬いウロコの様なものに覆われ、チロチロと長い舌でオレの躯を舐めまわす。入ってきた時……あまりの痛さに意識が霞んできて……

*****

「目が覚めたかい? 」

 研究室で目覚めたおれは、室長の言葉が直ぐには理解出来なかった。その意味が判った途端、自分の身体を確認するために、手術着から出てる両手を見た。

――そこに映ったモノ――それは人間じゃなかった。

「ナゼだ?! こんな姿に……こんな……人間じゃない! 」

「君が望んだ身体だよ。逞しい、ちゃんと好きな人を抱ける身体じゃないか――」

「DNAの配合には気を配ったつもりだよ……成長ホルモンだけでは無理だから、少し爬虫類を入れてみたら巧くいった」

 室長の話しを最後まで聞かずに研究室をテレポートしてた。


*****

 もう、何度躯を重ねたか分からない……多分オレは、このまま死ぬのだろう。それでもいいと思っていた――ルイを見捨てたオレの罪だから……




きみを苦しめたくはない……





ただ……アイシタカッタ





ソレダケ……ナノニ……





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