アサシンの夜明け 復讐C たとえ……どんな犠牲を払っても……還らなければならない…… ……アイツのために…… ******** 見張りの男から奪った銃はサイレンサーが付いて無かった。オレは、舌打ちをして作戦を変更する事に……たった一人で200人からの屈強な男たちから生還しなければならないのだ。 ――1人づつ確実に―― 着てるスーツは体に合わない、オマケに武器は拳銃一丁と見張りの男を殺ったナイフだけ…… 絶対絶命とはこう云う時に使うもんだ。 『取り敢えず武器を見付けないと……』 その時、女がこっちに向かって歩いて来るのが見えた。 「あら、新入りさん? 」 ブロンドの髪をなびかせ、彼女は微笑む。 『誰かの愛人? 』 「ええ、新入りです。綺麗なお姉さま」 オレがニッコリと微笑むと、彼女は「丁度良いわ、退屈で死にそうだったの……」 そう、言いながら綺麗に塗った指をヒラヒラさせて、オレを呼ぶ。誘う彼女の手を取りオレ達は扉の向こうへ消えた―― ********** 「良かったわ……あなた、名前は? 」 彼女はそう言ってベッドでオレの髪を透いた。 「レイジです。貴女も……」 髪を透いてる手を取り口付ける。彼女は笑ってオレの耳元で囁いた。 「あなた、此処の人間じゃ無いわね? 」 ねぇ、わたしと組まない? そしたら、黙っててあげる…… 「じゃ、頑張ってね。レイジ……」 彼女はオレにキスを落とし、見送る――オレは彼女の服とカツラを着け「任せて……」とにこやかに言った。 さあ、殺人ショーの始まりだ―― [前頁][次頁] [戻る] |