アサシンの夜明け
復讐B
さあ、用事は済んだ……
帰ろう……
アイツの居る場所に・・・
「ねぇ、お兄さん……」
言われた男はこっちをチラリと見て視線を外す……
「お前とは、口を聞いてはいけない事になっている。」
クソ真面目にそう言って後ろを向く見張りの男。
柵の付いた、まるで鳥籠か留置場の様な小部屋――
プライバシーの欠片も無いこの部屋でオレは飼われたペット……
「痛いんだよ……コレが……」
オレは、手首に付けられた鎖を持ち上げ、ジャラッと鳴らす。
「外しては、駄目だと……」
「言われてる……って云うんだろ?」
挑発する様に微笑みを浮かべ、着ている単衣の着物の裾をずらし露になった白い太股を見える様にする――
男の喉が上下するのを見て更に甘い声を出して誘う……
「じゃあさ……外さなくても良いから……」
オレを抱いてよ・・・
内緒にするから……
見張りをしてる間中、オレがあの男に抱かれてるのを見ていた男にはもう、限界だったのだろう。
無言で部屋に入って来て、着物の衿から手を差し入れ行き当たった突起を撫で摩る。
甘い溜め息を付くオレに、更に興奮した男は夢中で裾を割り浸入して来た……
*******
「な…ん…でだ……」
喉をかき切られて、まともに声を出す事も出来ない男にオレは、くちづけて囁く……
「地獄のサタンに伝えて……オレは、まだ逝けないって……」
白い衣に鮮血が飛び散り朱に染まる着物……
男が来て居た黒いスーツに着替え手に入れた銃の重みを愛おしげに撫でる。
鍵を開け外へと出た――
振り返ると、鳥籠の中は主を無くし寂しげに見えた……
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