アサシンの夜明け
復讐A
「俺のモノになれ……」
男はいった……オレを抱きながら……オレは決して声を出すまいと唇を噛み締め、口内の血を味わう……
段々と意識が遠のいて行く中で…ただ一人の名を呼ぶ……忘れられないアイツの名を・・・
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あの後……耐えがたい時間のあと殺されると思っていた。
でも、殺されずに……こうやって何度でもやって来ては、オレを抱き所有したがる。
「何で? オレはそんなに、ヨカッタの? 」
挑発する様に喋笑して誘う。
男をオレの虜にする為に――
生き延びる為に・・・
「良いよ……だけど、お願いが有るんだけど……」
男の耳元で囁くように云う。
「オレを売った奴はドコ? 」
奴をオレにコロさせて……
そしたらオレは、アンタのモノになるよ……
拳銃を放り投げ、オレは部屋から出た。
「お前の名は?――」
男―ターゲットが外で待っていて、聞いた。
――「レイジ……」――
名前を告げると男はオレの唇を塞ぎ俺のモノだと云う……
「分かってるよ……」
何故名前を問われて、名乗ったのか――どうせ、抹殺する相手なのに……
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