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僕の瞳に映るあなた


 美月の家では、朝食は皆で一緒には取らない。

 だから朝は、僕と涼の二人だけで食事をする。

「涼、おはよう」

 ぼくは、いつも涼より起きるのが遅い。

「おはよう竜。早く食べないと遅刻しちゃうわよ。何度、起こしても起きないんだもの」

 少し怒った涼の顔が、僕は一番好きだ。

 僕達は十四歳になっていた。

 毎朝僕を起こすのは、涼の仕事、子供の頃からの習慣だ。

 目が覚めて最初に涼の綺麗な顔を見ないと、僕は機嫌が悪い。

 今日だって起きていたけど、涼の顔を見ていたいから寝たふりしていた。

「ねぇ竜、悪いけど今日は1人で帰ってくれないかな?」

「何で? 何か用事があるの?」

 僕が聞いたら、涼は少し顔を赤らめ「うん……ちょっとね」と言葉を濁した。

 何で顔を赤くするんだ? まさか――!

「涼、誰か好きな人でも出来た?」

 さりげなく無関心を装い聞いてみると、涼の頬は見る見るうちに真っ赤になっていった。


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あきゅろす。
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