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僕の瞳に映るあなた


「小夜……ゴメン……」

 信じられない! 竜が別れようって? やっと手に入れたのに。中々なびかなかった竜を。許さない! 私を馬鹿にして…… あの女のせいだ。どす黒い怒りが沸き上がる。

『許さない……あの女に思い知らせてやる! 』

 私は、思い付いた。一番アイツらに効く復讐を……

***

「早織〜これはどうかな? 」

 二人で竜のプレゼントを選ぶ。ああだ、こうだ言いながら。幸せで胸が一杯だった。

「う〜ん。竜にはやっぱりこっちの方が良いかな? 」

 散々迷ってプレゼントは決まった。二人お揃いのストラップ。名前を入れてくれると云うので、明日取りに来ることに。

「明日かあ。楽しみだね! 涼」

 明日は誕生日だから、早く帰らなくちゃ。あっ、ケーキ焼くから一度家に帰ってから、取りに行こう……

***

竜の誕生日の朝。いつもの様に竜を起こしに行く。寝た振りした竜をキスして起こし、二人だけの朝食を取る。

「竜、早く食べなきゃ、また遅れるよ」

 片手で食べながら、もうひとつの手は私と繋がっている。竜が一時でも離れたくないと云うから。

 家から、一歩でも出たら私達は姉弟で……だから、余計にそう思うのだろう。

「涼、今日は……」

「あっ、竜は稽古しないと駄目だからね! 私は忙しいの! 」

 笑って言ったら、竜も笑い返して握ってる手に力を入れた。

「いたっ、竜〜やったわね? 」

 お返しにキスを……竜は切なそうに言った。

「涼……反則だよ。ずるい」



幸せは泡のよう……



膨らんで……




いつかは……なくなって




しまうもの……



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あきゅろす。
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