僕の瞳に映るあなた
1
それは禁じられた愛
「涼! お前は、また稽古をさぼったね!」
平手打ちを受けた頬を、赤く染めながら。
「ごめん……なさい。おばあさま」
涼はポロポロと涙をこぼした。
「お前は、一体何様のつもりなんだ!」
なおも頬を叩かれ。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
泣きながら、畳におでこを擦り付けるている涼を見かねて。
「おばあさま! 涼を許してあげて!」
竜が祖母と涼の間に、割って入った。
「竜や。お前がそう言うのなら……」
涼の時とは違い、猫なで声で、竜に目を細める祖母。
「さあ、涼。行こう!」
まだ、泣きじゃくってる涼の手を引き、竜は部屋を出た。
「大丈夫? 涼」
心配そうに覗き込む竜に、涼は笑おうとしたが、顔を苦しそうに歪めただけだった。
「何で、おばあさまは、涼に辛く当たるんだよ!」
竜は、顔を真っ赤にしながら怒っている。
涼には、その理由が痛い程わかっていた――
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