僕の瞳に映るあなた
2
ひとしきり泣いたあと、早織が学校を早退するかと聞いてきた。
「大丈夫。いつまでもメソメソして居られないし、早く慣れなくちゃ」
竜がそばに居ない事に。
もう二度と、あの優しい瞳で私を見てはくれないのだ。
*―*―*
教室へ早織と二人で戻ると、竜の事で話しは盛り上がって居た。
「なあ、誰だよ。竜の付き合う子って」
そう言って片桐君が竜に、詰め寄っている。
竜は、無表情で「別に……誰だって良いだろ? オマエが付き合う訳じゃ無いんだから」
冷たい竜の声に、私は思わず振り返って見た時、竜と視線が合った。
竜は、何の感情が無いその瞳で私から目を反らした――
授業が始まらなかったら私は、とっくに帰っていただろう。
竜の誕生日は、あと四日に迫っていた。
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