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僕の瞳に映るあなた

 あれから、竜は私と一緒に居る事がなくなった。
 いつだって離れたことなんか無かったのに――






「涼! 涼! 大変よ!」


 早織が慌てた様子で走って来た。
 私はそんな早織を見たことがなかったので何が起きたかと、心配になった。


「早織、どうしたの? 何があったの?」


 目一杯走って来たのだろう。

 しばらく何も喋れなくて苦しそうに息をしてから一気に言った。


「竜……くんに、彼女が出来た! 今、聞いちゃった。告白OKしてたよ!」

「涼? どうしたの?……」



 泣いちゃ駄目、私が選んだ選択でしょ? 良かったのよ竜にとっても私にとっても。
 でも、何でこんなに胸が苦しいの?



「良かったあ。竜ったら、ちっとも女の子に興味が無さそうだったから、少し心配してたのよ」



 明るく言うはずだったのに。

 実際くちにした言葉は震えていて――
 早織が私の頭をクシャっと撫でた。
 見ると早織が涙を溜めていて私に言った。



「涼……わたし達、親友だよね? 良いんだよ、わたしには強がんなくても。竜くんの事、好きなんでしょ?」



 我慢出来ずに私は涙を溢した。
早織と一緒に抱き合って泣いた――



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