僕の瞳に映るあなた 15 竜、りゅう……私達、どうしたらいいの? 私は、どうすればいいのだろう―― 私が教室に入って行くと友達の早織が心配そうに言った。 「涼……大丈夫? 顔が赤いよ。風邪引いたんじゃない?! 保健室に行く?」 「早織ごめん。帰るから、竜が来たら言っといてくれる?」 「いいけど……竜くんのプレゼントは?」 そうだった。早織と買いに行くはずだったのに。 明日、竜のプレゼントを買いに行く約束をして私は学校を出た。 家に真っ直ぐ帰って、私の部屋で竜の事を考えていたら、後ろから抱きすくめられた。竜……? 「涼……どうして、一人で帰ったの? 僕をおいて」 竜が耳元で囁く―― 私は竜の顔を見る事が出来ない。 竜の瞳を見てしまったら、後戻りが出来なくなる…… 「涼……愛してる……」 そう言って竜は、私を抱き寄せた。 「涼……泣いているの?」 「竜、駄目よ……りゅう……」 嬉しかった。でも、それ以上に私は、こわかった―― [前頁][次頁] [戻る] |