僕の瞳に映るあなた
12
後輩の(誰だっけ?)と別れた後、教室に戻ったら涼がいない。
僕を探しに行ったと思って、迎えに行った僕の前に、涼と生徒会長が一緒にいた。
涼は何だか泣いている様だ。
僕は頭に血が昇って先輩に向かって行こうとした時、涼が先輩に微笑んだ。
その時、僕の頭に昇った血が一気に下がっていった。
涼、そいつなのか? 好きな奴って。
先輩も笑って教室に入った後、涼が教室へ行こうとした所を、思わず僕は涼の肩を押さえつけた。
「あっ! 竜、どうしたの? 探したんだから、早く給食食べないと……」
僕はよっぽと顔色が変わっていたらしい、涼も顔が蒼くなった。
「竜……何で怒ってるの? 何かあった?」
泣きはらした瞳に、また涙が湧きあがりポタンと、ひと滴落ちた。
それを見たら僕が凄く極悪人になった様で、涼を抱きしめ「ゴメン」と言ってた。
涼は、わんわん泣きながら僕をぎゅっと抱き返した――
神様……僕は、何もいりません……涼だけが……だから涼をください……お願い……だから……
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