あたたかいみるくをください 9 「――すみません。習い事をしているもので」 以前憧れていた彼女からの誘いがあった。彼は申し訳なさそうにその誘いを断った。 彼の習い事は『水泳』だ。 この半年間で見る見るうちに減り張りのある躰つきになって、外見や服装も洗練されてきた。何より色気が出てきた。そんな風に変わってきた彼を女子社員は見逃さない。 しかし、彼はどんなに言い寄られようと、女性との関係には関心を示さなかった。 スポーツに本格的に取り組んだのは初めてで、辛いと感じることもあったけれど、指導してくれるのが悠馬だから頑張って続けることが出来た。 そして、週末には性の指導を受ける。悠翔は悠馬の望むままどんどん淫らになって、本当はそれが自分自身の望んだ姿だったのだと感じていた。 プールで冷えた体には、コーチが飲ませてくれる温かいミルクが何よりの褒美となって、悠翔を幸せにした。 いつか過敏な腸が丈夫になったら、腸奥にコーチのミルクをたくさん注いでもらうんだ。グチュグチュになったトロトロの穴を、奥まで掻き混ぜて愛してもらうんだ。 そんな未来図を夢見て、悠翔は自分の体質改善のために病院にも通い出した。 あたたかいみるくをください ――終―― 表紙へ戻る [*前へ] |