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秘する花 誘う蜜
悦1





 仕事は相変わらず続いていて途切れる事はない。
 この特殊な分野ゆえに、本来なら依頼が来ることに感謝すべきなのだろう。

 あの写真展の後には、咲希を撮影した選りすぐりの全てを収めた魁の写真集が発売された。
 複数のマネキンの中に在って際立った美しさを持つ存在。しかもそれが男性となれば世間の注目を浴びる。

 しかし、魁は決して咲希の素性を明かさなかった。それが『契約』だからと頑なに干渉を拒んだ。



 午後に入っていたグラビアの撮影の後、女を帰してから編集作業に入る。データを取り込んだパソコンを前にして、わたしたちはいつもふたりで写真を選別した。

 大量のデータを見続けて、いささか目に疲労を感じはじめた時、不意に鮮明な色彩が視界に飛び込んできた。
 それは咲希の写真だった。

 艶やかで妖しく、美しいオブジェと化した姿に、わたしは思わず息を飲んだ。

 美しさに酔わされるはずが、どうしてだろう、胸が重く苦しい。

 説明の出来ない不快感がわたしを辛くさせる。



 ずっとだ。

 咲希と仕事をしてからずっと……。




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あきゅろす。
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