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CASSIOPEIA9





 曽我はためらいを見せなくなった。

 あられもない姿を車窓から晒しても、百瀬と一緒に快楽を共有できる悦びの方が勝っていて、星空の下で行われる行為に陶酔さえ見せる。



 やがて雪が降ってきた。

 風に吹かれ、車窓を横切る綿のような雪が、自分たちの荒々しい姿を優しく覆い隠してくれる。

 それが、不思議と安心を呼んで、曽我は甘く縋って百瀬の尽きない熱を求めた。



 彼は自分のものだと信じる事が出来る。
 何があろうとも、曽我は自分を愛するだろうと百瀬は思う。

 けれど、曽我の感情はすぐに迷う。
 これから自分たちを取り巻く現実を知った曽我は、どんな考えで、どんな行動に出るのだろう。



――おれを、信じてください……柊司さん



 決して、身を引く事など考えないように……と、願って止まない。



 百瀬は、自信のない曽我を案じていた。



CASSIOPEIA
――終――
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