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コンサルタント
恋の艶事 愛の親昵1







「柊司さん?」

快感に逆らいきれなくて、呼吸を乱して喘ぎながらも、突然自分の殻に閉じ籠ってしまったような。
そんな曽我を案ずる百瀬の声が耳許を熱く濡らす。

つい、ゾクリと感じてしまって、曽我は首をすくめた。

「智……」

やっと言葉を紡ぎ出した曽我に、百瀬は縋るように聞き耳を立てる。

「なに?どうしたの柊司さん」

必死に関わろうとする百瀬の在り方が本当に可愛い。
こんな恋人がいれば幸せなんだろうな……と思えた。

百瀬はすっかり恋人気分だったのに、曽我はまだ実感がない。

「おれ……弱いから。騒ぐかもしれない」

背中に身体を預けて、曽我はしどけなく百瀬に甘えた。

「気持ちいいと、自分を抑えられない。……さっき自覚した」

百瀬の指だけで乱されて、何もかもを手放して失神するほど興奮した。
これが、さらに強い興奮をもたらす行為だったら、自分はどうなるか分からない。
失態も痴態も醜態も晒して、百瀬に嫌われるのではないかと曽我は懸念する。

百瀬は、突然の曽我の告白に、ただ茫然としていた。

「呆れられるかもしれない」

「そんな事ない。自分の所為で乱れてくれるんだから」

百瀬は訴えるように否定した。

ずっと緊張していた。
やっぱりやめるなんて言われたらどうしようかとビクビクしていた。

それが、実は考えすぎで。
曽我は自分自身の事を気にしていたのだと知って、百瀬はその心配事が可愛いとさえ思えた。
曽我の気持ちが前向きになった事に気付いて、百瀬は俄然やる気が湧いてきた。

「気持ちいい……って言って。もっと乱れて。……おれが嬉しいから」

首筋にキスを落として、曽我の官能を刺激する。

「たくさん愛したい。ずっと抱いていたい……。でも、負担は掛けないから安心して気持ち良くなって」

立ち上がった悦びの徴を撫でる百瀬の行為に、曽我は陶酔を見せた。

「──っは………ん、智ぉ……」

曽我の声質が変化して。
甘く絡み付いて、ねだるような艶を帯びて。
百瀬は瞬時に煽られて、いきなり強く興奮させられてしまった。

更に質量を増した灼熱が、曽我の中を拡張して刺激する。

「あっっ!?……や!……お………き、ぃ……」

興奮に貫かれた身体を反らして、百瀬に凭れる。
百瀬は、曽我の艶く反応に切ないほどの歓びを覚えた。

「──柊司さん……可愛い。もっと感じて……」

甘えた声で、百瀬が懇願する。

「柊……って、呼んで。智」

肩越しに頬を撫でられて。
ねだる曽我には百瀬は敵わない。

「柊……」

泣きたいほど嬉しくて、求められるまま応える。

「うん」

快楽に酔う曽我の、情にほだされた表情が百瀬を骨抜きにして、熱い身体が戦慄した。

「柊……向かい合いたい。……いい?」

曽我の顔が見たい。
やわらいだ表情の艶をじっくりと堪能したい。

百瀬は曽我に求めた。

「うん」

抵抗なく受け入れた曽我は、自ら百瀬の腰から離れて、穿たれた熱の楔をズルリと抜いた。

その瞬間にまで快楽に反応した曽我の表情に興奮させられて。
百瀬は矢も盾もたまらず、そのまま曽我を押し倒した。

「──智……。これは向かい合うとは……」

曽我が少しだけ状況に違和感を感じて。
百瀬の発言と行動の違いを遠慮がちに指摘する。

百瀬は、滾る衝動を抑えられなかった。

理由を冷静に考える余裕もなく、自分の衝動の根源が分からないまま。
切羽詰まっている自覚だけはある。

せっかく築いてきた何もかもが崩壊しそうな危機感を抱いていながら。
それでも強烈な曽我の誘惑には抗えない。

百瀬の胸を指先で確かめるようになぞって。
その胸には似合わないささやかな突起を、転がすように撫でて刺激する。

上にいる百瀬の臀丘を、その感触を楽しむように手のひらに圧をかけて撫でている。

自分がどんなに官能的で、どんなに淫らに百瀬を誘っているか。
曽我は絶対自覚していない。



百瀬は決壊しそうな自制心を揺さぶる曽我の誘惑に追い詰められていた。



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