コンサルタント
交歓5
「智……」
大きな背中に両腕を回して、曽我も百瀬を抱きしめた。
やっと熱いくちづけが贈られて、曽我は夢見心地で百瀬に全てを預けた。
重なる鼓動がふたりの胸を揺さぶって、互いに十分すぎるほど相手を欲している事が伝わり合う。
ふたりはキスが嬉しかった。
互いを想い合う愛しさが、欲に負けずにそっと交わされる。
ただ劣情を貪り合うような激しさはなく、高まりつつある官能を心地よく持ち上げる切なさで、身震いするほどの陶酔を分かち合う。
ゆっくりと擦り、なぞり、忍び込む愛撫が、口内の互いの体液をあふれさせて、口許からこぼれ落ちた。
離れた唇が粘液の白糸で結ばれる。
それがもたらすくすぐるような快感は、さらにふたりの情を刺激した。
「柊司さん……」
呟きで糸が切れた。
「あなたに、触れていい?」
熱い吐息で唇が撫でられるような感触を与えられて、曽我はすっかり紅潮している肌をさらに熱く染めた。
「──おれも、智に触れたい」
「うん。触って……柊司さん」
甘い誘惑が、曽我に返された。
促されて下腹に手を伸ばすと、灼熱の欲を滾らせた百瀬の鋼のような芯柱が、曽我の手を押し返すようにヒクリと蠢いた。
「凄い……」
ふたりの身体の隙間から視線を下ろして覗き見る。
こんなに興奮してしまうなんて……と、曽我は百瀬の欲に圧倒された。
そこはすでに耐えられない焦燥を示して。
先端の膨らみはまるで糖蜜でコーティングでもされたように輝きを反射して豊かなぬめりを帯びていた。
「っは………あ、柊司さん……」
曽我に触れられる懐かしい感触に悦びを与えられて、百瀬は甘く喘いだ。
脈動する熱塊に手のひらと指全体を絡ませて愛撫する。
指は百瀬の形を覚えていて、それを確かめてから、自分がここで愛された事を実感として思い出した。
曽我からの愛撫を受けやすいように、身体を少しだけ離して間隙をつくる。
百瀬の体重を支える四肢が快楽に震えた。
「智……。こんなに……立派になって」
ともすると、以前よりも大きく張り詰めているように見えて、曽我は感慨に耽る。
役に立たないと悩んでいた事があったなんて、今では信じられない。
曽我は陶然として百瀬の表情を伺った。
「あなたを想いながら……してたから」
快楽に酔いながら、百瀬はそんな事を臆面もなく伝える。
告白された曽我の方が恥ずかしくなってしまった。
「柊司さん」
「なに?」
「おれも、していい?」
キスをして、もう一度確かめる。
曽我は自分だけが楽しんでいた事を指摘されたようで、赤面してしまった。
「あ……ごめん。つい」
「ううん。嬉しい」
頬を緩めて応える百瀬は曽我の耳許にキスをしてから、改めて曽我に告げた。
「するね……」
「智……?」
離れていく百瀬を視線で追うと、不意に胸を吸われた。
「──っっ!?」
ゾクリと全身を貫く反射的な身体の反応を抑えられない曽我は、つい身体を竦めてしまう。
そんな身体をやんわりとなだめる百瀬は、舌と指先でゆっくりと両胸を愛撫して、曽我の身体の芯に宿る燠を掻き崩して火を灯した。
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