楽園の紛糾
天使になんてなれない8
「艦長。……このままだとすぐに捕まりますぜ」
遮那王のフリッヂでは、フェニックスの追跡を知ってオペレーターが進言した。
「お杉が出ばってくるとはなあ……。やりにくうてかなわんなぁ」
一条が困惑してため息をつく。
「同感です。我々は軍と悶着を起こしたい訳ではありませんから。……ここは逃げて、早くシヴァに参りましょう。時間は無駄にできない」
武蔵坊の考えに同意して、一条はパイロットにハイパードライブを命じた。
哨戒艦一派は追っ手から逃れて、先を急いで行ってしまった。
「くっそおおぉぉぉ──っっ!もうちょいで射程距離に入ったのに!」
ギャラクシアのブリッヂでは、次郎が全身で悔しさを訴えていた。
──この艦長は本気で遮那王を沈めるつもりらしい
顔中が修羅場の迫力も加わって、ブリッヂのオペレーターたちは、哨戒艦あがりの血の気の多い新艦長に畏怖すら感じていた。
5.天使になんてなれない
──終──
[*前へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!