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終焉の時はなく
mission8







 衛星要塞が突然閃光を発した。
 それはまるで地上の太陽の光にも似て、辺りを真っ白に包み込み、クロイツの拠点の最期はそれに似つかわしく荘厳な終わりを遂げた。
 その最期は、フェニックスに帰艦途中であった野村のガイアスをも、白い閃光で押し包み。眩しい光は杉崎の意識を刺激し、覚醒へと導いた。
 頭痛を感じながら、歪んだ表情で目を開けた杉崎は、自分の所在がすぐには掴めないまま、重い身体をシートに預けていた。
 やがて微かに聞こえてくる圧し殺した泣き声で、早乙女の最後の姿を思い出して、杉崎は慌てて背中を起こした。
 気が付くと、ガイアスのコックピットにいた。
 自分は後方の補助席にいる。
 パイロットは誰だ。
 自分は何故こんなところにいる。
 押し寄せる疑問と狼狽は、やがて現実を知って深淵に押し込められていく。
 パイロットが繰り返し黒木の名を呼び続ける。
 二度と届かない声と知りながら、それでも悲しみは容赦なく襲い、呼び続けずにはいられない。
 杉崎は、自分がたったひとりで助かった事を知った。
「――野村?」
 パイロットに声を掛けると、彼はピクリと身体を強ばらせて、その声に反応した。
「はい」
 涙に詰まった声が返ってきた。
「済まない……。辛い役目を、負わせてしまったようだな」
 杉崎自身もまた、大切な部下を失った悲しみに、その声は低く沈んでいた。
 ふたりを乗せたガイアスは、フェニックスへと飛行する。
 重く、苦しい喪失感が、コックピットを静かに押し包んでいた。



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あきゅろす。
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