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Novel




「じゃあ、うーん・・食べさせるとか」

「え?・・何に」

「・・・熊とか」

言ってて恥ずかしくなった。

「それが出来ればかなりいい線いくでしょうね・・。
最初から熊に襲われた風に装えるし。
でも熊がどこにいるかはちょっと分かりませんね・・」

そんな真面目に返してくれなくていいのに、と私は思った。
むしろ恥ずかしいから。

「死体を隠すのって、思ったよりも難しいんですよ。
だから皆、死体を隠すのではなく自分が犯人ではないように工作するんです」

「ええ、そうなんでしょうね・・よく分かりました」

そんな事言われてももう遅い。
万が一私と和宏の関係が知れたら、まず間違いなく私は捕まる。
今からアリバイ作りなんてできっこないし、どうすればいいのだろうか・・。

「井上さん」

「ハイ?」

私はガックリとうな垂れていた顔を上げた。
水屋が私をじっと見ていた。

「僕以上に、そういう事に詳しい知人がいるんですが」

「えっ!?」

そんな知り合いがいるのか!?
やっぱり私はついている!

「ぜ、ぜひその方に連絡を取ってもらえません?」

「いいですけど」

水屋は携帯電話を取り出してから、もう一度私を見た。

「あ、こんな時間に電話をして失礼じゃないでしょうか?」

「多分大丈夫ですよ。
きっとまだ仕事中なんじゃないでしょうか」

こんな時間まで仕事?
同じこの学校の生徒だと思ったのだが、違うのかな。

「その方はどういう方なんですすか?」

水屋はちょっと困ったように笑った。

「刑事です」





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あきゅろす。
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