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Novel



自分で考えるのには限界がある・・。
そこではたとひらめいた。
推理小説を参考にするのはどうだろう?
どっかの犯人が死体を隠すのに使った方法を、私も拝借するのだ。
・・だが生憎、私に推理小説を読む趣味は無い。
今から読むのも無理な話だろう。
ネットで検索するか・・とも思ったが、そんなことで簡単に見つけられる方法ではまずい気もする。
誰か周りに推理小説を読む人はいただろうか・・。
そこであぁ、と気づいた。
うちの大学にはミステリー研究部があるじゃないか!
わざわざサークルに入る人達だから、きっと沢山の推理小説を読んできたに違いない。
そう思い至るといてもたってもいられなくなり、私は家を飛び出した。
和宏の死体は、とりあえず押し入れの奥に押し込んでおいた。

当然のことながら、学校はまだ閑散としていた。
日頃あれほど活気に満ち溢れた場所と同じとは思えない。
だけど私は、この雰囲気のほうが好きだ。
私はあまり人ごみというのが好きではない。
悔しいが、和宏の言うとおり私は地味な女なのだ。
時計は今七時三十分。
校内にほとんど人の姿は無いみたいだが、驚いた事にサークル塔にはちらほら人影が見える。
泊り込んでいるのか、何らかの朝練でもしているのか?
・・サークルなんぞにまるで関わりの無い私にはよく分からない。
でもちょっと心が休まった。
正直こんな時間に人がいるとは思えなかったが、誰かいる可能性もある。
私はサークル塔一階の地図を見て、ミス研の部屋を探した。
・・・・・・・・・無い?
いや、あったあった・・良かった。
サークル塔の、最上階の端の端。
肩身の狭い思いをしているであろうことは、部室の立地条件からもすぐ見て取れた。
はたして、ちゃんと部員はいるのだろうか・・。
部室があるんだからいるとは思うが、消せない不安を抱えつつ、私は階段を上り始めた。



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