Novel 2 自分で考えるのには限界がある・・。 そこではたとひらめいた。 推理小説を参考にするのはどうだろう? どっかの犯人が死体を隠すのに使った方法を、私も拝借するのだ。 ・・だが生憎、私に推理小説を読む趣味は無い。 今から読むのも無理な話だろう。 ネットで検索するか・・とも思ったが、そんなことで簡単に見つけられる方法ではまずい気もする。 誰か周りに推理小説を読む人はいただろうか・・。 そこであぁ、と気づいた。 うちの大学にはミステリー研究部があるじゃないか! わざわざサークルに入る人達だから、きっと沢山の推理小説を読んできたに違いない。 そう思い至るといてもたってもいられなくなり、私は家を飛び出した。 和宏の死体は、とりあえず押し入れの奥に押し込んでおいた。 当然のことながら、学校はまだ閑散としていた。 日頃あれほど活気に満ち溢れた場所と同じとは思えない。 だけど私は、この雰囲気のほうが好きだ。 私はあまり人ごみというのが好きではない。 悔しいが、和宏の言うとおり私は地味な女なのだ。 時計は今七時三十分。 校内にほとんど人の姿は無いみたいだが、驚いた事にサークル塔にはちらほら人影が見える。 泊り込んでいるのか、何らかの朝練でもしているのか? ・・サークルなんぞにまるで関わりの無い私にはよく分からない。 でもちょっと心が休まった。 正直こんな時間に人がいるとは思えなかったが、誰かいる可能性もある。 私はサークル塔一階の地図を見て、ミス研の部屋を探した。 ・・・・・・・・・無い? いや、あったあった・・良かった。 サークル塔の、最上階の端の端。 肩身の狭い思いをしているであろうことは、部室の立地条件からもすぐ見て取れた。 はたして、ちゃんと部員はいるのだろうか・・。 部室があるんだからいるとは思うが、消せない不安を抱えつつ、私は階段を上り始めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |