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Novel
20

「花言葉がどうこう言ってましたね。
なんて花言葉だったのかな・・ちょっと調べてみます」

ちょっくら携帯電話でググってみよう。

「オイ、砂糖は何個要る?」

「ブラック党なんで結構です」

「ブラックで飲むのか・・」

轟が言うので、彼の手元を見てみると、砂糖の袋を片手に二個も持っている。

「二個も入れるんですか?」

「わ、悪いか」

悪いことは無いが、その図体にはちょっと不釣合いではないか?
糖尿病の心配もある。

「二個も入れたらもうコーヒーじゃないですよ。
別の飲み物です」

「そんなことは無い、うまいぞ」

「コーヒーはブラックが一番ってよく言うでしょ」

「言わん。
聴いたことも無い。
誰がそんな事言ったんだ」

「私の友人が三人くらい・・」

轟が馬鹿にするようにフンと笑った。

「知らないんですか?
三人もいれば立派な社会が出来ます。
三人いればみんなです」

「そんなことはないだろう」

「よく考えてみて下さい轟さん。
私がUFOを見たと言ったら信じますか?」

「そんなもん存在するもんか」

「じゃあその場にいた他の二人が同じ様に口々にUFOを見たと言ったらどうです?」

「・・・・・・」

「ホラ三人同じ意見が出れば、信じるに値しそうでしょう」

「それとこれとは話が違うだろ!」

「違いません。
同じ様に共通する話題・・・」

「・・・どうした?」

「轟さん!
今すぐ花王寺邸へ行きましょう!」

私は一気にコーヒーを流し込んだ。

「何だってんだ、急に・・」

「ひらめいた気がします!
さぁ早く行きましょう!」

そう私が急かしても、いっこうに轟はコーヒーに口を付けようとしない。
大量の砂糖を溶かすように、スプーンをゆっくりかき回すだけだ。

「轟さん?」

「猫舌なんだ」

強面のこの刑事は恨めしそうに私を睨みつけた。






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