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Novel

「・・・・・・・フッ」

ヤバイ・・我慢できずに噴出してしまった。
案の定刑事殿は大変ご立腹な様子である。
その恐い面で睨まないで欲しい。

「ま・・あのたしかにその言葉は間違っては無いですし」

「んあ?・・どういう意味だ」

「だからみさとによろしくって」

「?」

「私なんですよ。
みずやみさとは」

「・・・・・・・・・・」

「その言葉を言うタイミングではありますから」

「おい、ちょっと待て」

手の煙草を灰皿に押しつぶす。

「お前確かにみずやみさと・・なのか?」

「そうです。
名刺にメアドが記載されていたので社交辞令にと思ってメールしました。
私の名前、読みにくいんで平仮名にしたんですけど・・。
それ以前に名前言ってなかったんでしたっけ」

「言ってない」

「すいませんでした」

「いや、聞かなかったこっちも悪いんだが・・。
あ〜・・うん、そうか。
まったく紛らわしい名前しやがって」

「自分的には気に入ってるんですけど」

「その、どんな字を書くんだ?」

「みずやはまんま、水屋ですけど。
みさとは深いに知識の識で、深識です」

「深識ぉ?・・そりゃ読めんわ」

「そうでしょう?
昔からよくみさとちゃんって呼ばれてましたよ。
懐かしいですね」

「ふぅ〜ん・・深識か・・。
探偵にはピッタリの名前じゃないか」

轟は残ったコーヒーを一気に飲み干した。
私のコーヒーはまだ来ない。



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