羽柴ミヅキ様より
好きな気持ちはあいつの五倍
「サクラ、ちょっといいか?」
「あ、うん。サスケくん、ちょっと待っててね」
ここは、木の葉でも有数の書庫室。規模は大きく、ありとあらゆる書物が収められている。
今日の任務は、ナルトがお腹を壊したとかで代役としてシカマルが配属。任務といっても、資料作成と整理。こう言ってはなんだけれど、今日の任務はナルトじゃなくて良かったのかもしれない。
「この資料なんだが…」
「あぁ、それはね…」
資料作成といっても、高度な暗号を解いたり、膨大な量の書物を書庫室を走り回って収める作業。正直、頭が痛くなる。
「おぉ、なるほどな。サンキュ」
「ううん、気にしないで」
シカマルとの用件を済ませると、サスケくんの隣にもう一度座る。眉間に皺があるのは気のせい?
「サスケくん、どうしたの?頭でも痛い?熱?」
医療忍者なので、風邪の引き始めを見逃すわけにはいかない。そっとサスケくんのおでこに手を添える。
すると、ガタッと何かが倒れる音と一緒に、大量の紙が落ちる音。
「シカマル?どうかしたの?」
音の正体はシカマルが倒した椅子と、その手から滑り落ちた書類。
「べ、別に」
「お前が動揺するなんて珍しいな」
サスケくんが不敵な笑みでそう言うと、シカマルは小さく舌打ちをした。二人って、仲悪かったかしら?
「…お前こそ、顔が緩んでるぞ」
「…うっせ」
二人は一通り喋り終わると、静かに席について書類をまとめはじめた。
とりあえず、やっと集中出来る環境になったので良しとする。
「…」
書庫室に響くのは、鉛筆が紙の上を走る音と、たまに捲るページの音。
一段落したところで、私は背伸びをした。
「んーっ!ね、ちょっと休憩にしない?」
「そうだな…。なんか飲み物いるか?」
「あ、じゃココ…」
「俺が取りに行く」
私の言葉に被るように、シカマルが立ち上がる。サスケくんは目を細めた。まさか、怒ってる?
「シカマル?別に、気を使わなくていいんだよ?サスケくんも、飲み物ぐらい私が取りに行くし…」
「いいや。俺が取りに行く。サクラの好みは、俺が一番分かってる」
「ったく、お前めんどくせぇな。そういうの、自意識過剰って言うんだよ」
二人の視線の間に、火花が見えるのは気のせい?何で火花が散っているのかは分からないけど、議題に私が上がっているのは確かだと思う。
でも、何で私?
「前々から言おうと思ってたんだけどよ、何でお前はサクラの彼氏面してんだよ」
「あぁ?そんなの、俺が…」
「まだ彼氏じゃねぇだろ?」
「まだ、な」
火花がより一層激しくなったのは気のせいだろうか。休憩をとろうと提案したはずなのに、なんで休憩になっていないのだろう。ココアを取りに行くわけにもいかず、私は二人を交互に見る。
「あの…」
「…あ。やっぱりシカマルが取りに行け。ついでに俺のコーヒーも」
「なんで俺がお前の飲み物持ってこなくちゃなんねぇんだよ、めんどくせー!」
「ついでだ」
「あの!」
間髪入れず繰り広げられる会話の、わずかな隙間を狙い、私は発言に成功した。すると、二人の視線が私に注がれる。
「飲み物取りに行くのが面倒なら、私行くよ?サスケくんはブラックだよね?シカマルは、緑茶でいいかな?」
ちょっと待ってて、と、二人に声をかけると、私は給湯室に向かったのだった。
愛しのあの子は鈍感な姫
(なんでお前と二人にならなきゃならねぇ…)
(こっちのセリフだ。…サクラ早く戻ってこねぇかな、俺のためにブラック持って)
(いや、俺の緑茶を先に渡してくれるはずだ)
****
ミヅキちゃん宅の企画に参加させていただき、サスサク←シカをリクエストさせていただきました★
いっいやーーー!!さいっこうに萌えます(*^^*)やっぱりミヅキちゃんは最高だ!サクラちゃんはどっちの飲み物もってくるのかなvvドキドキ
鈍感なサクラちゃんかわいすぎます!
本当にありがとうございました★
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