歌音様より Help me×2 To:シカマル Sub:念のため! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 念のためメールするけど、例の件は夜9時45分だからねー♪ 私もヒナタも準備バッチリよー(*^-')b ヘマしなようにちゃんと確認しといてよねー?特にバカナルトにはよく言ってやって!笑 To:山中いの Sub:Re:念のため! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ はいはい、わかってるって。 めんどくせーけどそうじゃないとアイツら前に進まねーからな。 ナルトにもちゃんと言っとくから。 ───────── 修学旅行と言えば必ずする話題、恋バナ。 例に洩れず、この3人部屋でも始まった。 「で、サクラは最近どうなのよー?」 …一発目から私かい! 勘弁してよ、私は二人みたいに彼氏いないんだから。 そう思っているのに、この手の話が大好きないのは目を光らせ掴んだ獲物を離さない。 さらにヒナタまでもが興味津々でこちらを見つめてくる。 私は二人から逃げるように目を反らして呟いた。 「…別に何もないわよ、何にも。」 「はぁ!?毎日一緒に帰ってる上に夏祭りも二人で行っといて、まだどっちからも告白してないのー!?」 うぐっ。 いのの言葉がグサリと突き刺さる。 いのの言う通り、私は毎日サスケくんと一緒に帰ってる。 夏には二人でお祭りにも行った。 だけど何にもない。 告白しないし、されない。 付き合ってない。 「…サクラちゃんは告白しないの?サスケくんから動いて来ないなら、サクラちゃんからいけばいいんだよ。」 「わかってる。でもね…」 ヒナタに諭されたが、私は言葉を詰まらせた。 自分が告白すればいい。 そう何度も思った。 周りからも両思いだっていつも言われてる。 だけど怖いの。 仮に99%両思いだったとしても、サスケくんの本当の気持ちが残り1%だったとしたら…。 「サクラちゃん、それは逃げてるだけだよ。ちゃんと前を見なくちゃ。」 「そうよ!サスケくんに真正面から向き合ってきなさい!」 向き合えって言われても…。 助けてを求めていのに目をやると、彼女はチラリと時計を見た。 「ほら、もう消灯まで15分よー?今なら間に合うわ!」 笑顔かつ無言の二人に突如グイと腕を捕まれる。 「え、何…!?」 抵抗する暇もなく、あれよあれよと外に放り出された。 「いきなり何すんのよっ!」 「いーい?向き合うまで部屋に入れないからねー?」 「もしかしたらサスケくん、ラウンジにいるかもよ…?頑張ってね!」 「え、ちょ……!」 美女二人は部屋へ消えていった。 ドアを激しくノックしても開く気配はない。 「もう信じらんない…。」 諦めてペタリと床にへたりこんだ。 …逃げてる、か。 扉を背に、ヒナタの言葉が頭でエコーする。 言われてみればそうかもしれない。 サスケくんのこと好きなのに、少しでもそういう雰囲気になったらいつも誤魔化していた。 “不安だから”といつも理由をつけて。 …でもやっぱりこんなの私らしくないわ! いのに言われた通り向き合って来ようじゃないの、しゃーんなろー! 「今から行ってくる!」 ドア越しにそう叫んで私はラウンジに向かった。 ───────── ラウンジに辿り着いたものの、サスケくんはいなかった。 …よく考えれば当たり前よね、就寝前にわざわざこんなとこ来るわけないじゃない。 サスケくんどころか従業員すら見当たらない。 どっと疲れが出て私はソファに座った。 窓からは綺麗な月がよく見える。 サスケくんと二人でお月見できたらなぁ… あーでもいのとヒナタでもいいかなぁ… しばらく見とれていると、ふとすぐ近くに人の気配がした。 誰だろう、こんな時間に。 私は横を向いた。 「よ、よう……!」 「さ、サスケくん…!」 なんと隣に立っていたのはサスケくんだった。 突然の出来事に顔が火照り鼓動が早まる。 「…前、座っていいか?」 「え、ええ、もちろん。」 先ほどの決心のせいでやたら不自然になってしまう。 私につられてか、正面に座ったサスケくんも目を合わせてくれない。 いつもならあり得ないぎこちなさが二人を取り巻く。 早く部屋に帰りたい…。 …って私は何のためにここに来たのよ! 逃げないで向き合わなきゃ! 告白しなくちゃ! 勇気を振り絞って…! 「…サスケくん?」 「なんだ?」 一瞬目が合ったがすごい勢いで反らしてしまった。 おまけに顔も真っ赤。 バレてたらどうしよう。 …でも今はそれどころじゃないわ! 自分に言い聞かす。 もう一度決心して息を吸い込んだ。 「つ、月が綺麗だね。」 って何言ってるのよ私……。 まったく告白してないじゃない。 もう動揺して全身から汗が止まらない。 「…ああ。」 サスケくんも困ってしまい会話が止まる。 とても気まずい。 もう告白なんてできる気がしない。 とにかくこの無言の間が厳しい、助けて… それを打破したのはサスケくんだった。 「…なぁサクラ。」 「なぁに?」 無言は回避できたが、サスケくんは険しい顔をしていた。 何か言い迷っているようだ。 しばらくすると決まったらしく、逸らしていた目を下へやり深く息をした後こう言った。 「つ、月が本当に綺麗だな。」 「…ええ。」 …もう何この会話。 私のせいでサスケくんにまで同様が感染っちゃったじゃない。 サスケくんも顔を真っ赤にして汗を吹き出している。 気まずい!逃げたい! でも告白しなきゃ… そうだ! 突然言わないでワンクッション置けばいいじゃない! そんな当たり前のことも忘れているなんて。 でも、もう大丈夫。 私ならきっと言えるはず。 もう一度深呼吸して彼の名を呼んだ。 「ねぇサスケくん。」 「…なんだ。」 「話があるの。」 自分の心臓の音がよく聞こえる。 お願いだから早くうんとかすんとか言って…! 「…奇遇だな、俺もそう思っていた。」 月を見ながらサスケくんは言う。 心なしか彼も緊張してみえる。 「悪いが先に言わせてもらうぞ。」 こちらを向いた。 今日、はじめて二人、まともに目が合う。 真っ赤な顔が二つ。 これってもしかして… 「俺は…」 「おーい!そこにいるのはサクラとサスケかーっ?消灯時間過ぎてるぞーっ!青春フルパワーで部屋までダッシュだーっ!」 まさかのタイミング。 消灯時間、しかも濃ゆい先生に見つかるなんて。 最悪だわ…。 再び目が合ったサスケくんは、ため息をつきながら言った。 「…俺が思ってたことはあいつが全部言ってくれた。」 「私も……。」 思わず苦笑した。 この空気じゃムードも何もない。 せっかくここまで頑張ったのに。 「…そういう訳だ。俺は帰る。じゃあな。」 サスケくんは立ち上がって振り向かずに廊下へ去っていった。 「おやすみ、サスケくん…」 背中につぶやいた私も、立ち上がって階段へ向かった。 はぁ…。 結局告白出来なかったけどな…。 ────────── 「鍵を開けろ。」 俺はドアへできるだけ静かに怒りを込めて言った。 ガチャリと音がした後、調子のいい金髪が出てきた。 「ようサスケ!チューできたってばよ?」 「…ふざけるな。」 適当にあしらって自分のベッドへダイブする。 もう歯を磨くのすら面倒だ。 「その様子じゃ告白できなかったのか?俺らがせっかく外へ出してやったのに、めんどくせー野郎だな。」 「それを言うなら閉め出しだ。」 手元にあった枕を長髪の野郎に投げる。 そいつはひょいと交わした。 ったく、今回の修学旅行は最悪だ。 コイツらと相部屋になった時点でわかってはいたが。 告白するまで中に入れないと部屋を追い出され、上等だと向かったら予想以上に動揺し、決心したらガイに邪魔される。 …最悪だ。 「そりゃ大変だったみてーだな。」 「お前らのせいだろ。」 舌打ちをした。 ニヤリと笑うシカマルが憎たらしい。 こんなやつらでも一人前に彼女がいるからなおウザい。 「ところでこれからどうするんだってばよ?何にもなかったことにすんのか?」 ナルトが痛いところを突く。 一番触れてほしくなかったところだ。 「さすがにそれはねーぜ?男ならビシッと決めねーとな?それに脈あるってわかったんだし。」 「…ったら…ゃんと……する。」 「はぁ?何言ってんのか聞こえねーってばよ?」 腹が立って俺は壁に向かって叫んだ。 「次会ったらちゃんと告白するって言ってんだろ!ウスラトンカチがっ!」 柄にもなく宣言してしまった。 背中越しにニシシという笑い声を聞いたとたん後悔した。 でも、こうでもしないと俺はきっと告白できないだろう。 なんせ、夏祭りからずっと言えずに引きずっていたからな…。 俺は情けなくなってもぞもぞと布団に潜った。 暗い布団の中で再び宣言する。 次こそは…! ────────── To:ヒナタ Sub:報告だってばよ! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ サクラちゃんから聞いたかもしれねーけど、作戦失敗だったらしーな! でもサスケってば次会ったら告白するって大声で叫んだんだってばよ!!! これでやっと一楽トリプルデートできるな! To:ナルトくん Sub:報告だよ(*^_^*) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ メールありがとう(*^_^*) サスケくん、ついに宣言したんだね!それを聞いて私も安心したよ。 実はサクラちゃんも同じこと言ったんだ(^_^)いのちゃんに半ば強制的に言わされてた気もするけど…(笑) でも二人が同じ気持ちなら問題ないね、よかった〜 これからも二人のことみんなで見守ってあげようね! では、おやすみなさい(^-^)/ キリバンを踏ませていただき、のんちゃんに書いてもらっちゃいました(*^^*)!!付き合い前のじれったい2人というかなりアバウトで微妙なリクエストを快く書いてくださいました^^!感謝感激です! 大好きな学パロな上に修学旅行なんて萌えネタたまりません!ガイ先生もかなりナイスタイミングです!笑 ホントにありがとうございました(*^ω^*)!! ←prevnext→ [戻る] |