猫はご主人様に夢中! 5 5 「ただいま」 何ごともなかったかのような猫は俺の一番お気に入りのソファーにゆっくり腰をおろした。 「…あのー…」 「?」 幸太の呼び掛けにちゃんと応じて来る猫。 「あのー…」 じ…焦れったい。 なんだこのヘタレは。 「お前、誰?」 「恋人ー…!」 幸太からよくぞ聞いてくれた!というきらきらした視線を送られたがそれを無視し、猫へと視線を戻す。 「年齢、名前、生まれた場所は?少しでも把握しとかなきゃ、一緒に住めないだろ?」 「お前、この猫…飼うのか?」 「…なんか問題あるのか?」 「や、逆逆。拾って来たくせに追い出すのが酷だったから困ってたんだよ。今、真冬だしさ」 一段落会話が終わると徐に猫は口を開いた。 「…美咲。主人が2年前に死んでから、父さん絡みの奴等に追われてイギリスから日本まで逃げて来た。」 「それってやばいんじゃ…」 「イギリスに居た時の話だ。それにあいつ等は俺を捕まえる気もなかったみたいだからな…気にすることないだろ。」 は…はは。 とんでもねぇ 話だ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |