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猫はご主人様に夢中!




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床にちらばった目覚時計と乾電池。
美咲はその目覚時計の音が、大嫌いだった。


恋人を"学校"と言う場所へと出掛けさせる合図だから。


はっきり言って、地元の国では人気者だったはずの猫。
捨てられた訳ではなく、逃げてきた猫。


なのに、

なのに、

この人は振り向いてくれない


…欲しいものが手に入らない。
今までに味わった事のない焦りともどかしさに、美咲は頭を抱えていた。









「なんでそんなに拒むの」
「なんでって…お…とこだし...?」
「男が男を好きになるのはおかしいことか?」


悪い訳じゃない
いつからか、女と男という価値観があって
本能に従うように生きてきたまでだった。


それを何故?と問い掛けられても、曖昧な答えしか浮かぶのは事実であって。





「…それは…」
「何?」


聞かれてもわからない自分に腹がたつ。

なんでこんな馬鹿猫に…!









時間は黙っていても過ぎていくものだ。
恋人は黙ったまま、美咲はそれをただ黙視している。



「…あ、そ」

美咲は掴んでいた手を離すと、部屋を出て行ってしまった。

その光景に何故か悲しくなった。

何故と聞かれてもわからない。
全て分からなくなっている




流れ落ちた涙がに意味はないと思った。
なのになんでこんなにムカムカするんだよ…!



「っちくしょう.....!!!!」




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