青空に手は
結果的に
真選組から離れたところに、宇宙はいた。
「う…ああ…!」
小さく、押し殺すような声を上げる。
苦しい。
息の仕方がわからなくなってきた。
俺、どうやって息してったけ…
だめだ。
今のこの押しつぶされそうな頭じゃ、まともなことすらわからなくなる。
頭に思い浮かぶのは、敵なはずの彼の姿。
『焦らなくていい』
『少しずつ話してくれたらいいんでい』
『飯持ってきたぞー』
『相変わらずほせえな、ちゃんと食ってんのか?』
何も喋らない俺を、何も言わずにそばに置いてくれた人。
たとえそれが彼の本心じゃなくても、おれにとっては彼のそばに居れるだけで十分だった。
結果的に、裏切るような感じになってしまったけど。
「―は。何考えてんだ俺。」
どうせ
「何もわからなくなるんだ―!」
遠くなる意識に、どこかでサイレンの音が聞こえた。
気が、した。
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