青空に手は
これは命令
「あれ…あの子いない…」
いつもの時間に山崎が沖田の部屋…
つまり宇宙がいる部屋へとくるとそこはもぬけの殻だった。
「おかしいな…今日は俺が監視の日なのに…」
山崎は一応ぐるりと部屋を見回したが宇宙がいる形跡はなく、あるのはしきっぱなしである布団だけだった。
「どこに行ったんだろ…」
一人呟いていると突然携帯が鳴り始めた。
「うわあ!は、はい山崎―」
【山崎!てめえ今どこにいやがる!】
電話の相手は土方。
「えっと…沖田隊長の部屋ですけど…」
そう告げたあと、電話越しにもはっきりと聞こえるほどの舌打ちが聞こえた。
「あいつが逃げた?!」
広間に沖田の大きな声が響く。
「なんでっ…!」
「俺らが知るか。チッやられたな。」
思わず腰を浮かせている沖田にそう返すと、土方は大きな舌打ちをして悔しそうに眉を潜めた。
ぐるりと振り返り山崎の方へ向く。
「山崎ぃ。お前何かあいつにうちの子と喋ったか」
鋭い眼光で山崎を睨みつける。
「い、いえ…俺は何も。あの子が会話するのは、今のとこ沖田隊長しかいませんので。」
「っ」
その言葉に、今度は沖田が下を向いた。
「…まあいい。総悟、てめえが何をしたらいいか…もう分かるな」
沖田の方は見向きもせず、一言そう告げる。
「殺すなとは言わねえ。
あいつから全部、聞き出せ」
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