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青空に手は
待ってて



「総悟」

「…近藤さん」


食器を返し終わったあと、沖田は近藤と出くわした。
なにやらその表情は固く、重大な話だということが分かる。


「何かあったんですかい」


「ああ…ここで話すのもアレだ。
移動しよう」


こくり、と頷き、沖田はその場を跡にした。

ついたのは、ついこの間宇宙と一緒に話をした部屋。
そこには既に土方も居り、やはり緊迫した空気が流れていた。



「総悟、…いつまであいつをここに留めておくつもりだ。」


最初に口を開いたのは土方で、その目は鋭く沖田を睨んでいた。


「甘やかすなとは言わねえ。相手はガキだ。



だがな、理由もなくずっと屯所に置いておくっていうのは他の隊士が納得しねえ。」


そんなこと、わかっていた。

だが、それでも宇宙が理由もなく相手を殺していたとは沖田には考え難かった。




勿論、近藤と土方も。


だからこそ、そろそろ話をしないと宇宙はただの人殺しになってしまう。
それをわかっていて、土方は総悟に言ったのであった。



「トシ、まあそう固くなるな。総悟だってわかっちゃいるさ。
総悟、正直俺はあの子が自分の口からいうまで待ってやりたい。だがトシの言ったように隊士達が心配するだろう。だから―」



「分かってまさぁ」

近藤の言葉を遮って、俯きがちに沖田が言う。


「あいつ…何かにいつも怯えてるんですよぃ。今はあんまりねえが後ろから喋りかけたら震えて。
普通はほぼ監禁状態になってんだから部屋から出たがるはずがあいつはそれがねえ。




きっと理由があるんでさぁ」




だから




「待っててくだせぇ。絶対、俺が理由聞きやすんで」

沖田はそれだけ言うと宇宙が待っているであろう自室へと足を運んだ。


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