青空に手は
いつかは
「うめえか?」
「(こくん)」
あれから一週間、宇宙はまだ沖田に慣れないものの、会話には応じる様になっていた。
まだ名前は聞けていないが、沖田はこの距離に少し満足をしていた。
宇宙は食器を片付けに行った沖田を見ながら、あの日のことを思い出していた。
『無理に答えなくていい。』
『どうせいつかは全部聞くんでぃ。だから―』
「(焦るな…か)」
俺はいつからこんなに臆病になったんだろう。
本当ならこんなとこにいてはいけないのに。
いや…理由ならもうわかりきっているさ。
ここは、自由にできる。
あんなことしなくていいし、もう言いなりになることだってない。
だから、居心地がいいからきっと俺は逃げないんだろう。
「いつかは―全部話すのに…」
一人、自虐の笑みを浮かべて宇宙は膝をかかえた。
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