青空に手は
子供
「ここですかい…」
「ああ、ここに奴は来るはずだ」
宇宙が居るであろう所から離れたところに何台かのパトカーが止まっている。
そこには沖田と土方も居り、偵察に行った山崎の帰りを待っていた。
「副長!山崎が戻りました!!」
一人の隊士が叫ぶと後ろから山崎が出てくる。
「帰ったか山崎」
「どうだったんですかい」
ふたりが問う中、山崎は苦い顔をする。
「はい…いたにはいたんですが…
子供がいたんです」
「「…山崎…」」
白い目で睨まれる山崎は慌てて告げる。
「あ、子供って言っても普通の子供じゃなくてですね…えっと…」
なかなか上手い言葉が見つからないのか山崎は唸っていたが顔をパッとあげて言った。
「ふ、雰囲気とか違いましたし、とてもそこらにいる子供とおんなじようには見えなかったです!
それに…
その子、俺に気づきました。」
「「!!」」
山崎から発せられた言葉に沖田と土方は目を見開いた。
それもそのはずだ。
剣の腕はまああれだが監察方としては優れている山崎だ。
時々仲間の自分たちでさえそこにいることを忘れてしまうほどの影の薄さというのにその子供は恐らくであろうが山崎に気づいたのだ。
只者ではない。
「土方さん。どうするんですかい?」
「ちっ。
多分こっちの存在に気づかれたら俺たちに勝ち目はねえな。迷ってる暇はねえ。
行くぞ」
軽い舌打ちのあとに発せられた言葉に
隊士たちは勢い良く頷いた。
「御用改めである!!
真選組だぁ!!!」
これが
宇宙と真選組との出会いであった。
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