青空に手は
手枷と足枷
「…」
高い高いターミナルの上、そこに宇宙はいた。
「広いな…」
周りを見渡し誰に囁くでもなくポツリと囁く。
軽く腕を回し、屈伸をする。
そして、次の瞬間には宇宙は飛び降りていた。
「っ…」
一番初めに目に付いたビルの上にとまり、着地をする。
裸足の宇宙の足は普通の人間ならば折れている所を掠り傷ひとつない。
・・・・・・
人間ではないのだから
鎖をジャリジャリと鳴らし宇宙は足をすすめる。
そこには鎖の音が響くものの、本来聞こえるはずであろう宇宙の足音は聞こえない。
「…ここか…」
そう言って見下ろした場所はひっそりと佇む倉庫。
今回はそこに取引先が来るのだ。
宇宙はその護衛。
実際、天人を憎んでいる宇宙からしたら守りたくもないのだろうが自身に足枷、手枷があるかぎりそれは許されない。
「…」
宇宙は自分でも気づかぬうちに拳を握っていた。
→
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!